ちょっと小話 就労継続支援B型 支援の目線 運営の目線

【直B問題】就労継続支援B型の利用を目的とした就労アセスメント

【ちょく びー もんだい】

あまり、聞きなれない言葉ですね。
以前から、問題となっているようです。

障害福祉に携わる方であれば、知っておいて損はありません。

直B問題とは

これは、障害福祉サービス事業所、就労分野のお話です。

障がい者の就労支援には

■就労移行支援
■就労継続支援A型
■就労継続支援B型
(この記事では、就労B型と記載します)
■就労定着支援

といった障害福祉サービスがあります。

そのうちの、就労B型の利用に関する問題です。

就労B型の利用条件

就労B型を利用するには、条件があります。
・一般企業での就労経験がある
・就労アセスメントを受ける
このどちらかを満たす必要があります。

それに対して、就労移行支援と就労継続支援A型は、事前にアセスメントを受ける必要がありません。

アセスメントシートについては、こちらをご覧ください

特別支援学校卒業生が 就労B型を利用するには

では、ここで、特別支援学校の卒業生に焦点を当てます。

卒業後、就労B型を利用する場合は、先ほどの利用条件が問題となります。

大半の方は、一般就労ができなかった場合に、就労B型を選択します。
ですから、「一般就労の経験がある」という条件を満たすことができません。

となれば、就労アセスメントを受ける必要がでてきます。
この就労アセスメントを受けるには、就労移行支援を利用する必要があります。

【就労B型 利用までの手順(卒業後の場合)】
(1)就労移行支援を利用する
(2)就労アセスメントを受ける
(3)就労B型の利用が妥当であると判断される
(4)就労B型の利用が可能となる

就労アセスメントの役割・位置づけ

さきほどの(2)就労アセスメントは障害当事者の可能性を引き出すためのものです。

【就労アセスメントとは】
■どうすれば、就労することができるのか
■どういったことが強みなのか
■どのような課題を抱えているのか

これらを明確にし、就職するための道筋を立てるためのものです。
当事者の強みと課題を、本人と支援者が共有し、就職を目指すためのものなのです。

就労アセスメントと直B問題

そして、この就労アセスメントに関する問題を「直B問題」と呼んでいます。

■特別支援学校を卒業後、直接就労B型を利用することができない
■就労アセスメントが、本人の可能性を引き出すためのものになっていない
■就労アセスメントが「就労B型を利用するためのもの」になっている
■本人の意思をないがしろにし、家族や支援者の都合で、就労B型を利用させるためのアセスメントが実施されている

そもそも、就労アセスメントは就労B型を利用するためのものではありません。
本人の可能性や課題を明確にするためのものです。

これが「就労B型を利用するためにアセスメントをする」という、本末転倒な状態となっています。
それに加え、本人の意思と関係なく「就労B型に行けるようにアセスメントしてほしい」という依頼もあります。

これらのことが「直B問題」と言われています。

個人的な考えですが

卒業後、すぐに就労B型を利用できないという制度に疑問をおぼえます。
しかし、それ以上に「適切な就労アセスメントが実施されているのか」という点が、大きな問題であると私は考えています。

なぜなら、就労アセスメント実施者のさじ加減で、結果はどうにでもなってしまうからです。
就労アセスメントを実施する場合、資格なども必要ありません。
だからこそ、余計に「就労B型にいくためのアセスメント」が横行してしまうのかもしれません。

就労アセスメントを受けられる方も
就労アセスメントを実施される方も
お困りごとがございましたら、こちらへご相談ください。
15年間の障害福祉経験を活かし、お手伝いさせていただきます。

-ちょっと小話, 就労継続支援B型, 支援の目線, 運営の目線