就労移行支援 運営の目線

【就労移行支援】標準利用期間超過減算

【ひょうじゅん りようきかん ちょうか げんさん】

就労移行支援は、利用することができる期間が存在します。
その期間を超えないようにするための減算です。

この記事のまとめ

【減算率】
◆基本報酬を95%しか請求できない
(5%の減算)

◆加算は減算されない


要件】
◆平均利用期間が、一定期間を超えた場合
 利用開始から1年を経過していない利用者は、計算に含めない

◇移行支援(Ⅰ)
2年6か月以上

◇移行支援(Ⅱ)(あんま等)
3年6か月以上 または 5年6か月以上


【減算の期間】
◆減算の要件に該当する月

【留意点】
◆利用期間の延長がなければ、気にする必要のない減算。
 一般的な運営を行っている限り、問題にはならない。

標準利用期間超過減算 
減算率は?

基本報酬の95%を算定する
(5%の減算率)

この減算は基本報酬のみが対象となります。
各種加算には適用されません。

【例】
1日の基本報酬合計が「12,300単位」の場合
12,300×95%=11,685単位となる

◆1日あたり615単位の減算

一見、それほど大きな減算には見えません。
しかし、1か月の営業日数を20日と仮定すると

615単位×20=12,300単位

つまり、月間で12万円以上の差が出る計算となります。

標準利用期間超過減算 
要件は?

平均利用期間が、一定の期間を超えた場合に減算対象となります。

【要件】
◆移行支援(Ⅰ)
2年6か月(30月間)以上

◆移行支援(Ⅱ)(あんま等)
3年6か月以上(42月間)
または
5年6か月以上(66月間)

【計算方法】
◆各利用者の利用期間をもとに「平均利用期間」を計算する
◆利用開始から1年を経過していない利用者は計算から除く

【例】
移行支援(Ⅰ)の場合
利用者が、以下の4名とした場合

Aさん:2年7か月
Bさん:8か月
Cさん:2年5か月
Dさん:2年6か月

◆Aさん、Cさん、Dさん3名の平均利用期間を計算する
 ※Bさんは、1年を経過していないため、計算から除外

◇2年7か月+2年5か月+2年6か月=7年6か月(90月)
◇7年6か月(90月)÷3=2年6か月(30月)

平均利用期間が2年6か月(30月)以上のため、減算対象となる。

このように計算することで、減算対象かどうかを判断します。

標準利用期間超過減算 
減算が適用される期間は?

要件に該当する月のみが、減算となります。

留意点

標準利用期間超過減算となる可能性は極めて低いと言えます。
理由として、そもそも標準利用期間を超えた支給決定をされるケースが珍しいためです。

また、仮に標準利用期間を超えた支給決定がされた場合でも、減算の要件を満たすことは、稀なケースと言えます。

減算は『絶対』に避けましょう

ご覧いただいたように、標準利用期間超過減算は見過ごすことができない減算となっています。
減算を避けるためにも、各利用者の利用期間は意識しておきましょう。

また、本来は減算であるにもかかわらず、減算処理をせずに国保連請求をしてしまうと、後から返さなければなりません。
場合によっては、指定の取り消し(事業停止)も起こり得ます。
そうならないためにも、制度を理解・把握し、間違いのない運営をしていきましょう。

報酬に関する不安、お悩みなどがございましたら、こちらへご相談ください。
障害福祉歴15年の経験と知識を活かして、サポートさせていただきます。

-就労移行支援, 運営の目線