人は、いろいろな形で情報を得ることができます。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のことを五感と言いますね。
今回は「視覚」に焦点を当ててみましょう。
仕事ができない利用者?それって本当?
支援の現場で、次のようなケースがあった場合、どのように考えればよいでしょうか。
【例】
支援員が口頭で作業の説明をしても、理解ができない利用者のAさんがいたとします。
どれだけ説明しても、理解ができないのです。
支援員は
「このAさんは、仕事ができない人だ」
と、評価をしてしまいました。
その利用者が、能力不足という可能性も否定しきれません。
ですが、そこで支援を止めてしまうのは、はっきり言って無責任です。
この場合、最初に考えるべきは「情報伝達の方法」でしょう。
言葉だけの説明だと、どうしても理解できない利用者もいます。
また、理解できたように見えても、理解度が乏しい場合も少なくありません。
画像や映像は理解しやすい
みなさんも、思い浮かべてみてください。
あなたが料理をするとき、どちらの方が「わかりやすい」と感じますか?
・動画を見ながら、動画と一緒に料理する
・文章だけで説明されているレシピ本を見ながら料理する
おそらく、ほとんどの方が動画の方がわかりやすい、と感じるのではないでしょうか。
そうなのです。
画像や映像は、瞬時に物事を理解しやすいのです。
情報伝達の方法をかえてみる
では、先ほど「仕事ができない」と評価されてしまったAさんに、別のアプローチをかけてみましょう。
口頭で説明しても、仕事ができなかったAさん。
ことばでの説明がAさんに合わなかったのかもしれません。
そこで、支援員は写真を用いた作業マニュアルを作りました。
写真のとおりに作業すれば、仕事が完成する内容です。
これを見たAさんは、マニュアルと自分の手元を見比べながら、作業を行いました。
その結果、時間こそかかりましたが、自分の力で仕事を完成させることができました。
なんだか、作り話のようにも感じますが、決して珍しいことではありません。
中には、写真よりもイラストの方が理解しやすい、という方もいます。
利用者の反応をしっかりと見て、どの方法が合っているかを考えましょう。
小さな気づきを大切に
このように「ことばでの説明を理解する」ということは、意外とむずかしいのです。
支援員からすれば当然のことでも、それが課題となっている利用者はたくさんいます。
そこに気づくことができれば、支援員としてレベルアップした証拠です。
日々の小さな気づきを大切にしながら、支援をしていきましょう。
利用者の支援に困ったときは
まずは、事業所内の職員同士で、しっかりと話し合いましょう。
ひとりで支援をしているのではありません。
チームで支援をしているのです。
力を合わせて、乗り越えていきましょう。
しかし、チームで話し合った結果、うまくいかないことも珍しくありません。
そんなときは、こちらまでご相談ください。
15年間の障害福祉経験を活かし、課題解決のお手伝いをいたします。