人は、いろいろな形で情報を得ることができます。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のことを五感と言いますね。
今回は「聴覚」に焦点を当ててみましょう。
集中が続かない利用者 その理由は?
次のようなケースがあった場合、どのように考えれば良いでしょうか。
普段は集中して作業を行っているBさん。
ですが、時折、集中が途切れ周囲を見渡すことがあります。
Bさんの様子を見ていると、他の利用者やスタッフが動くと集中が途切れるように見受けられました。
そのため、Bさんの周囲にパーテーションを設置し、周囲の様子が見えないよう工夫をしました。
しかし、Bさんの集中が途切れる様子は続きました。
人の動きに反応して、集中が途切れるBさん。
それに気づいた支援スタッフは、周囲の人が見えないようにパーテーションを設置しました。
しかし、状況は改善されませんでした。
環境の改善を行ったが、なぜ解決しなかったのか
Bさんの様子を見た上で改善をしましたが、なぜ解決しなかったのでしょうか。
ひょっとしたら「原因は別のところにある」のかもしれません。
たしかに、状況を見る限り、人の動きに反応していることは間違いないでしょう。
しかし、本当に「目から入る情報」が原因なのでしょうか。
ほかのアプローチを考えてみる
ここで大切なことは「いろいろな可能性を考えて、改善策を試してみる」ということです。
別の角度からもアプローチをかける必要があります。
今回は、周囲にパーテーションを設置しても、改善されませんでした。
ということは、目から入る情報が原因ではないのかもしれません。
人が動くときに、なにが起こる?
人が動くと、なにが起こるでしょうか。
試しに、今座っている場所から立ち上がり、歩いてみてください。
そうですね。
もう、お気づきだと思います。
そう、「音」がなるのです。
椅子を引く音、歩くときの足音、ドアを開け閉めする音。
目だけでなく、耳からも情報が入ってくるのです。
Bさんは、この「音」に反応していた可能性があるのです。
周囲の音が聞こえないようにするには
では、周囲の音を軽減させるには、どのような方法があるでしょうか。
・個室で作業する
・耳栓を着用する
などなど、他にもいろんな方法があると思います。
事業所の状況により、できる対策は異なります。
あなたの事業所では、どういった方法を取ることができるでしょうか。
利用者の支援に困ったときは
まずは、事業所内の職員同士で、しっかりと話し合いましょう。
ひとりで支援をしているのではありません。
チームで支援をしているのです。
力を合わせて、乗り越えていきましょう。
しかし、チームで話し合った結果、うまくいかないことも珍しくありません。
そんなときは、こちらまでご相談ください。
15年間の障害福祉経験を活かし、課題解決のお手伝いをいたします。