支援の目線

【支援事例】就労定着のために ビジネススキルだけを伸ばせばよい?

就労移行支援や就労継続支援では、一般就労に向けた訓練を行います。
事業所によって、どういった訓練をするのかは、事業所によって異なります。
なかには、ビジネスマナーの習得や、SSTを用いて課題解決を試みる事業所もありますね。

今回は、就労定着のために必要なことは何か、確認しましょう。

仕事のスキルはカンペキ プログラミングがとても得意

次のようなケースがあった場合、どのように考えるとよいでしょうか。

Dさんは、とても有名なIT系の企業に勤めていました。
プログラミングの実力も相当なものです。

先日、体調不良を理由に、Dさんはその企業を退職しました。
その後、社会復帰を目指して、就労移行支援に通うことにしました。

しかし、Dさんにとって、移行支援でのPCの勉強は物足りないものでした。
事業所側も、これ以上教えられることはないと判断し、就職活動をするように促しました。

Dさんは、すぐに、一般就労をすることができました。
ですが、3か月もしないうちに、Dさんは再び退職してしまいました。

もう一度、就労移行支援に通い、もっとPCの勉強をしようと考えているようです。

とても優秀なスキルを持っているDさん。
ですので、すぐに採用が決まりました。

しかし、就職した後、思うように働き続けることができなかったのです。

仕事を続けるために 必要なことは?

Dさんは勤務態度は良く、同僚や上司ともめることはありません。
持ち前のPCスキルで、業務も問題なく完遂しています。

しかし、ある時から、欠勤が目立つようになりました。

Dさんは、仕事をする上では、特に問題をかかえていませんでした。
しかし、ある時から欠勤が目立つようになりました。

そんなDさんに必要なことは、PCスキルの習得でしょうか?
なにか、他にあるように思えますね。

このポイントを考えることが、支援する上で非常に重要です。
では、一体なにが必要なのか、考えてみましょう。

課題・問題は 仕事上のことだけとは限らない

さて、情報が少ない状況ですが、どういった可能性が考えられるでしょうか?
「決めつけ」で物事を見てはいけませんが、ある程度の予測は立てておきましょう。

■生活リズムが不安定
■服薬がうまくできていない
■家庭環境の変化

などは、比較的よく見かけるケースです。

仕事上だけでなく、生活上に課題を抱えている利用者も少なくありません。
長く働き続けるためには、仕事のスキルだけでなく、生活上の問題解決も欠かせません。

利用者の支援に困ったときは

まずは、事業所の職員同士で、しっかりと話し合いましょう。
ひとりで支援をしているのではありません。
チームで支援をしているのです。

力を合わせて、乗り越えていきましょう。

しかし、チームで話し合った結果、うまくいかないことも珍しくありません。
そんなときは、こちらまでご相談ください。

15年間の障害福祉経験を活かし、課題解決のお手伝いをいたします。

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