事業をするということは、利益を出して、お金儲けをすることです。
お金儲けは、どんどんするべきだと、私は考えます。
しかし、「利益が生まれるのならば、どんな方法でもよい」という考え方には賛同できません。
「適正なサービスへの対価」を受け取ることが必要だと考えています。
今回は、就労継続支援A型事業所の「理念」について、私の考えをまとめました。
福祉以外の業種で考える
まずは、福祉業界から離れてみましょう。
ここでは、ラーメン屋さんを例に、考えてみます。
ラーメン屋さんが、お客様に愛され、生き残っていくためには、なにが必要でしょうか。
◆味
◆清潔感・衛生面
◆対象客に合った店づくり
・ファミリー向けなら、小さい子どもと一緒に入りやすいお店
・玄人向けなら、集中してラーメンを味わうことができる環境づくり
などなど
他にも、いろいろなポイントを挙げることができると思います。
この「店づくり」に必要なのが「事業(企業)理念」です。
明確な理念がなければ、お客様に愛されるお店をつくることは叶いません。
◆ファミリー世帯に喜んでもらいたい
◆食材と製法にこだわったラーメンを出したい
◆地域に根ざし、地域を活性化させたい
事業を成功させるには、明確な理念を持つことが必要不可欠です。
◆儲かればなんでも良い
◆おいしくない
◆原価を下げようとするあまり、衛生面に問題がある
こんなラーメン屋さんは、そう遠くないうちに、店をたたむことになるでしょう。
あなたは、「儲かればなんでも良い」と考えているラーメン屋さんに、入りたいと思いますか?
福祉業界も 同じことが言えます
先ほどの話は、福祉業界でも同じことが言えます。
【A】
◆生活の安定や自立を実現するために、障害者の就労支援をおこなう
【B】
◆障害者と雇用契約をすれば儲かる、という考えだけで運営している
あなたなら、どちらの事業所に通いたいと思いますか?
そして、どちらの事業所の方が、利用者が集まりやすいと思いますか?
利用者は、自分の人生をかけて、通所する事業所を選びます。
あなたの事業所のことを、見ていないようで、しっかりと見ています。
あなたが運営する就労継続支援A型は、どんな理念をかかげていますか?
どのようにして
理念を考えればよいか
就労継続支援A型は、働きながら一般就労を目指す事業所です。
いったい、どのような理念を掲げればよいのでしょうか。
◆だれに
◆なにを
◆どうやって
この3つを意識することで、明確な理念を打ち出しやすくなります。
だれに
もちろん「障がい者に」なのですが、ここでは、もう一歩踏み込んでみましょう。
◆地域(地元)の
◆○○の業務に就きたい
◆聴覚障害のある方に
このように、範囲を絞るようなイメージをもつと、考えやすくなります。
なにを
就労継続支援A型の「キモ」と言える部分です。
◆実践的なPC操作
◆○○業界の専門知識
◆同僚や上司とのコミュニケーション
これが具体的であればあるほど、魅力的な事業所だと感じてもらいやすいです。
どうやって
利用者に対して、どういった形で支援を行うのかを考えます。
◆充実した事業所内研修で
◆職場実習を通して
◆個人が集中できる環境で
障がいや利用者の特性が、ヒントになるかもしれません。
参考例
先ほどの例をもとに、考えてみましょう。
【だれに】
地域(地元)の障害者
【なにを】
実践的なPC操作
【どうやって】
地元企業での実習を通じて
【理念】
障がい者が 地元で働き地元で活躍するために
【だれに】
経理職を目指す障害者
【なにを】
帳簿作成などの業務
【どうやって】
座学形式で
【理念】
企業に欠かせない人材の 育成・輩出
このように考えることで、より明確な理念を打ち出すことができます。
魅力ある
就労継続支援A型をつくるために
そのためには、明確な事業理念を打ち出し、従業員全員で共有する必要があります。
そして、その理念に向かって、チーム一丸となり、就労継続支援A型を運営することが求められます。
おいしいラーメンを提供するように
クオリティの高い支援ができることが理想です。
適正な福祉サービスの提供で、しっかりと儲けが出せるように。
あなたの就労継続支援A型のお手伝いをさせていただいます。
お困りごとは、こちらへご相談ください。