就労継続支援B型事業所を運営していると、利用者が集まらずに苦戦されている方も多いのではないでしょうか。
就労継続支援B型では、雇用契約を締結しません。
ですので、求人を出すことができないため、利用者が集まりづらいという側面もあります。
今回は、どのように就労継続支援B型の利用者を集めるのか、見ていきましょう。
あわせてその1もごらんください
必勝法は 存在しない
まず初めに、誤解のないようにお伝えいたします。
「何かをすれば必ず利用者が集まる!」という必勝法はありません。
身も蓋もありませんが、これだけは、先にお伝えさせていただきます。
もちろん、利用者を集めるための、アプローチの手段はあります。
しかし、必ず利用者が集まるというものはありません。
この点を踏まえた上で、アプローチの方法を見てみましょう。
他の事業所にはない 特色を持たせる
あなたの事業所がある地域には、どういった事業所が多いでしょうか?
周囲の事業所と同じようなことをしていては、あなたの事業所を覚えてもらうことは難しいでしょう。
ほかの事業所にはない取り組みや設備などがあれば、覚えてもらいやすくなります。
【たとえば】
■ただ作業をするだけでなく、各種イベントも充実している
■あなたの事業所でしか、することができない仕事がある
■社会参加の一環として、芸術活動などができるようになっている
など
私も実際に、スタジオのある事業所を、お見かけしたことがあります。
利用者も職員も、みなさん、よい表情で演奏されていました。
魅力的な作業・仕事を用意する
軽作業や内職を扱っている就労継続支援B型事業所が、多いのではないでしょうか。
もちろん、それ自体が悪いことと言いたいのではありません。
ですが「ほかの事業所と違うことをする」という観点からは、有効とは言えません。
【たとえば】
■駄菓子屋
■ネイルサロン
■写真映えするスイーツショップ
など
場合によっては、職員の負担が増えるかもしれません。
ですが、やりがいのある、楽しい仕事ができる事業所に通いたいと思われる方も多いのです。
流行を取り入れた事業展開も、ひとつの手ですね。
高い工賃を出せるようにする
全国の就労継続支援B型事業所の平均工賃は、どれくらいかご存じでしょうか。
【令和3年度実績】
・月額:16,507円
・時間額:222円
【引用元】
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001042285.pdf
厚生労働省ホームページ 資料「令和3年度工賃(賃金)の実績について」
上記のような結果となっています。
ですので、これを大きく上回る工賃を出せるのであれば、事業所のPRポイントになるでしょう。
しかし、気をつけていただきたいことがあります。
それは、工賃を追求するあまり、利用者の負担が大きくなり過ぎてしまわないようにするということです。
仕事の負担が大きくなり、利用者が体調を崩してしまうのであれば、それは本末転倒です。
たしかに、平均工賃月額が高くなれば、基本報酬も増額します。
ですが、あくまで就労継続支援B型事業所が行う生産活動である、ということは忘れないでください。
金銭勘定「だけ」で行う福祉事業は、いずれ破綻します。
いろいろな方面からの アプローチを
就労継続支援B型事業所の利用者を集めることは、簡単なことではありません。
単に、広告費などにお金をかければ解決する、というものでもありません。
就労継続支援B型の役割を再認識し、他の事業所との差別化を行う。
一見、遠回りに感じますが、これが確実に前に進んでいける方法です。
就労継続支援B型事業所を運営するなかでのお困りごとは、こちらまでご相談ください。