就労継続支援B型事業所では、どういった生産活動を行うかが非常に重要です。
ここでは、就労継続支援B型の生産活動について、私の考えを述べます。
なぜ
生産活動の収益を増やすのか
理由は、大きく分けて2つです。
◆利用者に少しでも多く、工賃を持って帰ってもらうため
◆基本報酬に影響があるため
利用者に少しでも多く
工賃を持って帰ってもらうため
「支援」の観点から言えば、こちらが重要と言えるでしょう。
現状、就労継続支援B型の平均工賃は、決して高くありません。
【平均工賃額】 | 月額 | 時間額 |
令和2年度実績 | 15,776円 | 222円 |
令和3年度実績 | 16,507円 | 233円 |
【引用元】
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001042285.pdf
厚生労働省「令和3年度工賃(賃金)の実績について」
年々、増加傾向にはありますが、十分と言える金額ではありません。
また、もらえる工賃が増えることで、やりがいを感じる利用者も少なくありません。
金額の多い少ないだけに着目するのではなく、そういった観点も忘れてはいけません。
基本報酬に影響するため
「経営」の観点から言えば、こちらが重要と言えます。
利用者に支払う工賃額にもとづき、基本報酬が変動します。
平たく言うと「利用者の工賃が増えれば、国保連からの収入も増える」というしくみになっています。
定員が20名で、利用者と支援員の比が「7.5:1」の場合を例に見てみましょう。
平均工賃月額 | 単位数 |
45,000円~ | 702単位 |
35,000円~44,999円 | 672単位 |
30,000円~34,999円 | 657単位 |
25,000円~30,000円 | 643単位 |
20,000円~24,999円 | 631単位 |
15,000円~20,000円 | 611単位 |
10,000円~14,999円 | 590単位 |
~9,999円 | 566単位 |
【引用元】
https://www.mhlw.go.jp/content/000759623.pdf
厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」
このように、最大で136単位の差があります。
運営状況にもよりますが、年間でおよそ5~600万円の差が生じる可能性があります。
見過ごせない金額であることは間違いありません。
気をつけなければならない点
しかし、そうは言っても、ただ工賃を増やせばよいというものではありません。
工賃を増やすために 仕事を増やす
たしかに、これが一番シンプルです。
ですが、利用者はなぜ就労継続支援B型を利用しているかということを忘れてはなりません。
◆一般就労が困難である
◆納期に追われることが負担である
◆収入が多いことよりも、居場所があることを重視している
など、それぞれのご事情があることでしょう。
そこを無視してしまうと、あなたの事業所の存在意義がブレる可能性があります。
また、欠席日数や退所者の増加にもつながることでしょう。
過度な工賃増加を目指すことは、支援と経営両方の観点からも好ましくありません。
工賃を増やしていくコツ、ポイントはこちらをごらんください。
就労継続支援B型 生産活動
就労継続支援B型を運営する上で、生産活動はとても重要です。
その生産活動に、自分のやりがいを見出す利用者もいます。
支援の現場では、そういった点を大切にしていきたいものです。
また、経営者は工賃を増やすことを考える必要があります。
事業所の安定した運営をするには、欠かせない要素です。
就労継続支援B型の生産活動についての、ご相談はこちらへどうぞ。
15年間の障害福祉経験を活かし、お手伝いをさせていただきます。