「処遇改善加算」は、福祉職員の賃金水準を引き上げるための加算です。
もちろん、加算を取得するためには、要件を満たす必要があります。
今回は、就労継続支援B型における、処遇改善加算の要件などを確認しましょう。
※特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算はここでは扱いません
処遇改善加算の単位数は?
処遇改善加算の単位数は、決まっていません。
代わりに「加算率」が定められています。
【就労継続支援B型の場合】
処遇改善加算(Ⅰ):5.4%
処遇改善加算(Ⅱ):4.0%
処遇改善加算(Ⅲ):2.2%
(報酬改定などにより、変動する可能性があります)
このように、加算率が設定されています。
そして、この加算率を「基本報酬+処遇改善以外の加算」の合計単位数に加えます。
【例】
・「基本報酬+処遇改善以外の加算」が150,000単位
・処遇改善加算(Ⅰ)を取得した場合
150,000×5.4%=8,100
150,000+8,100=158,100
上記のように、単位数を算出します。
この場合、8,100単位が処遇改善加算にあたります。
そして、総合計は158,100単位です。
処遇改善加算の要件
処遇改善加算を取得するには、つぎの要件をすべて満たす必要があります。
■キャリアパス要件・職場環境等要件
■処遇改善計画書の作成・提出
■職員への周知
■処遇改善実績報告書の作成・提出
■労働保険へ加入し、労働保険料を適正に支払っている
■労働に関する法律に違反していない
キャリアパス要件
処遇改善加算の取得には、キャリアパス要件を満たす必要があります。
https://www.mhlw.go.jp/content/000915802.pdf
厚生労働省 資料(PDF)
こちらのPDFの25ページをご覧ください。
「3 キャリアパス要件について<処遇改善加算>」
こちらに書かれている項目が、キャリアパス要件です
【必要なキャリアパス要件】
処遇改善加算(Ⅰ):キャリアパス要件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのすべて
処遇改善加算(Ⅱ):キャリアパス要件ⅠとⅡ
処遇改善加算(Ⅲ):キャリアパス要件ⅠかⅡのどちらか
それぞれを満たすことが、加算取得の要件として定められています。
職場環境等要件
キャリアパス要件だけでなく、職場環境等要件を満たす必要もあります。
処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のどの場合でも、職場環境等要件を満たさなければなりません。
しかし、職場環境等要件は、どれかひとつでも満たせばOKです。
https://www.mhlw.go.jp/content/000915802.pdf
厚生労働省 資料(PDF)
PDFの26ページ
「4 職場環境等要件について<処遇改善加算・特定加算>」
こちらに書かれている項目が職場環境等要件です。
ずらっと、項目が並んでいます。
一見、難しそうに感じますが、よく見てみると、要件を満たしやすいものがいくつかあります。
■他産業からの転職者……採用の仕組みの構築
■有給休暇が取得しやすい環境の整備
■事故・トラブルへの……体制の整備
■ミーティング等による……支援内容の改善
■支援の好事例や、……共有する機会の提供
このあたりの要件を満たすことは、それほど難しくないでしょう。
職員への通知
処遇改善加算を取得し、職員へ支給する旨を通知する必要があります。
これは「書面での通知が望ましい」とされています。
書面での通知ができるよう、準備をしましょう。
処遇改善加算計画書、実績報告書の作成・提出
各自治体(指定権者)の案内どおり、期日までに書類を提出する必要があります。
様式は、エクセルデータを自治体がホームページなどで公開しています。
しかし、慣れないうちは、作成に手間取るかもしれません。
自治体によっては、記入例を掲載しているところもあります。
そちらを参考に、作成するのもひとつの手です。
処遇改善加算を取得するために
就労継続支援B型で処遇改善加算を取得するための要件などを確認しました。
ぜひ、処遇改善加算を取得し、職員の賃金水準を引き上げましょう。
結果として、離職率を低下させることや、サービスの質の向上につながります。
処遇改善加算に関するお困りごとは、こちらでご相談ください。