就労支援を行うときに、気をつけておきたいポイントがいくつかあります。
今回は、そのポイントを確認しましょう。
就職するとは どういうこと?
就労支援の基本でありながら、とてもむずかしいポイントです。
利用者の中には、ただ漠然と「就職したい」と話す方も少なくありません。
「就職したい」と言葉にはするのですが、「就職する」ということを把握しきれていない方も多いです。
利用者と話し合いをするのもひとつの手です。
就職すると なにがどうなるのかを考える
「就職とはなにか?」というテーマで話をすると、答えが出ないこともしばしば。
ですので、まずは、もっと身近なところから考えてみましょう。
就職すると、いったいなにがどうなるのかを、利用者といっしょに考えます。
【就職すると】
■生活はどのように変わるか
■収入はどのように変わるか
■どうやって通勤するか
■誰のサポートを受ける必要があるか
などなど
こういったことを考える必要があります。
なんの準備もなく就職すると、一気にいろんな変化を受けることになります。
たくさんの変化が起こるため、しんどくなってしまう可能性があります。
イメージしやすい部分から考えると 次の展開がみえてくる
利用者がイメージしやすいところから、考えてみましょう。
たとえば、つぎのように考えます。
朝の9時に会社へ到着するには、8時に家を出る必要がある。
8時に家を出るには、6時30分には起きないといけない。
会社を出るのは18時。
ということは、家に帰りつくのは19時。
そこから晩ごはんを用意。
6時30分に起きるためには、11時までには寝なければいけない。
こうやって考えていくと、どういった生活になるか、イメージが持ちやすくなります。
少しずつ、少しずつ1日の流れを広げていくイメージです。
こうやってイメージを持つことで、あらためて、自分の考えを整理することができます。
「フルタイム勤務をするには、まだタイミングが早いかもしれない」という思いが出てくるかもしれません。
もし、なんのイメージも持たずに就職した場合、この生活が利用者にとって負担となる可能性があるのです。
就職はゴールではなくて スタートです
就職することをゴールと捉えてしまうと、先ほどのように、無理のある就職を目指してしまいがちです。
・正社員での就職が正解、時短勤務は間違い
・とにかく就職することが大切
・勤務条件だけを考えればよい
などなど
就職はゴールではなく、新しい生活のスタート地点です。
新しい生活を続けることができる計画を立て、日々健康的に過ごすことが大切なのです。
支援者として、大事なポイントを間違えないように気をつけましょう。
利用者の支援に困ったときは
まずは、事業所の職員同士で、しっかりと話し合いましょう。
ひとりで支援をしているのではありません。
チームで支援をしているのです。
力を合わせて、乗り越えていきましょう。
しかし、チームで話し合った結果、うまくいかないことも珍しくありません。
そんなときは、こちらまでご相談ください。
15年間の障害福祉経験を活かし、課題解決のお手伝いをいたします。