通所サービスの事業所には、利用定員が決められています。
これは、利用者が通うことのできる人数の上限です。
では、この利用定員を越えるとどうなってしまうのでしょうか。
今回は、定員超過のお話です。
定員超過すると、どうなる?
定員を超過してしまうと、基本報酬が減額されます。※
定員超過の要件を満たしたタイミングで、3割減となります。
つまり、本来の基本報酬の7割しかもらえないということです。
※基本報酬のみが対象。加算は対象外。
定員超過減算の要件
【利用定員20名の事業所を例にご説明いたします】
定員20名の事業所に、1日21名の通所があったとします。
1名、定員を超過した状態です。
しかし、これだけでは定員超過減算の対象となりません。
では、どういった条件であれば、減算対象となるのでしょうか
「日」単位の減算
利用定員の1.5倍を超える、利用があった場合に減算されます。
(例)20人×1.5=30
当日の利用者数が30人を越える(つまり、31人以上)と、減算されてしまいます。
31人以上となった、その「日」が減算の対象となります。
たとえば、6月5日に超過した場合、その6月5日のみ減算処理をします。
その前日や翌日、6月4日や6日には何の影響もありません。
「月」単位の減算
以下の計算式に当てはまる場合に減算されます。
利用定員×直近3か月の営業日数×1.25 < 直近3か月の延べ利用人数
いやぁ……これだけでは、すさまじく分かりづらいですね。
ですので、例をあげてご説明いたします。
超過減算の確認をする月が、7月だとします。
そして、以下のように事業所を開所したとします。
【営業日数】
4月:20日
5月:19日
6月:21日
■直近3か月の営業日数は、20+19+21=60日
これで、上記計算式の左側が計算できますね。
20×60×1.25=1,500
次は、右側の「延べ利用人数」を計算しましょう。
延べ利用人数とは、利用人数の総合計のことです。
たとえば
・6月1日は19人
・6月2日は20人
・6月3日は15人
このように利用があった場合、この3日間の延べ利用者人数は
19+20+15=54人
ここで、先ほどの計算式をもう一度、見てみましょう。
利用定員×直近3か月の営業日数×1.25 < 直近3か月の延べ利用人数
つまり、直近3か月分の利用者数をすべて合計するということです。
そして、その合計が、先ほど算出した1,500を上回れば超過減算の対象となります。
「月」単位の減算は、該当する月の営業日すべてが減算されます。
減算対象を見落とさないためにも
ご覧いただいたように、定員超過減算は非常に大きな減算となっています。
「つい、うっかり」では済まされない減算です。
しっかりとした計算、管理をする必要があります。
また、本来は減算なのに、減算処理をせずに国保連請求をしてしまうと、後から返さなければなりません。
あまりに悪質な場合は、指定の取り消しも起こり得ます。
そうならないためにも、制度を理解・把握し、間違いのない運営をしていきましょう。
報酬に関する不安、お悩みなどがございましたら、こちらへご相談ください。
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